2025年に迫る「ビデオテープが見られなくなる」問題―思い出を未来に残すために
かつて多くの家庭で使用されていたVHSなどのビデオテープ。しかし、その寿命が限界を迎えつつある中、「2025年問題」として注目されています。これは、ビデオテープが物理的な劣化や再生機器の生産終了により、再生が困難になる可能性があることを指します。
2025年問題とは?
「2025年問題」とは、ビデオテープが約20年の寿命を迎え、映像の劣化や再生機器の入手困難により、過去の思い出が見られなくなる可能性を指します。特に2016年にビデオデッキの生産が終了したことから、ダビングサービスの需要が急増しています。
思い出を守るためのダビングサービス
全国で展開されているカメラのキタムラや、映像保存専門の東京光音などの企業では、ビデオテープのデジタル化を行うダビングサービスが提供されています。中には月2万本以上の依頼が殺到している店舗もあり、需要の高さが伺えます。
例えば、戦時中の映像を保存していた図書館や博物館では、歴史的価値のある資料をDVD化やデータ化する作業を急いでいます。また、個人の利用者からも多くの依頼が寄せられており、亡き家族やペットの記録を見直す人々の姿が増えています。
「ビデオテープの中の宝物」
都内に住むミカさん(39)は、実家に放置されていたビデオテープをダビングし、家族で再生しました。その中には、今は失われた祖父母の家や、幼い頃の家族の姿が記録されており、涙を流す場面も見られました。
こうした思い出の映像は、一度失われると二度と戻らない貴重な記録です。ダビングサービスを利用して未来に引き継ぐことが、家族や自身の歴史を守る手段となっています。
懐疑的な声も
一方で、こうした「見られなくなる」という問題に懐疑的な声もあります。TBSの安住紳一郎アナウンサーは、自身の番組内で「レコードも消えると言われていたが、今も聞ける。ビデオもきっと残る」との持論を述べました。しかし、物理的な劣化は避けられないため、デジタル化の重要性を指摘する声が多いのも事実です。
2025年を前に思い出を守る行動を
ビデオテープのデジタル化は時間との戦いでもあります。特に、家族の大切な瞬間や歴史的な記録が含まれる場合、早めの対応が推奨されます。デジタル化することで、未来の世代に貴重な映像を引き継ぐことが可能になります。
あなたの家にも眠っているビデオテープがあるかもしれません。この機会にデジタル化を検討してみてはいかがでしょうか。